湿った雪の恐ろしさ

 ほぼ1年前に読んだ「八甲田山 死の彷徨」を頭の片隅に置きつつ、同じ新田次郎の「孤高の人」を読んだ。本棚にあった理由は、谷甲州の本のあとがきにこのタイトルが記されていたからだ。
 その中に、気になった記述があった。小説の主人公の加藤文太郎(モデルとなった実在の人物も同名)は、兵庫県の日本海側の出身なのだが、冬の北アルプス山中で雪洞を掘って野営した時の粉雪よりも、標高が1,000メートルにも満たない故郷近くの山の湿った雪の中で野営した時の方が、濡れた服を着たまま氷漬けにされるようで、はるかに生命の危険を感じたという。
 これは、たぶん湿った雪が降る地方で冬を暮らしたことのある人間でないとわからない事なのだ。
 気温が零下になるためにスキーに適したさらさらしたパウダースノーが降る地方と、零度から4度ぐらいまでしか下がらず、雪合戦のために雪玉を作ると濡れタオルを絞ったときのように水が滴り落ちる「ぼた雪」が降る地方では、雪に対する概念が違うのだ。
 「湿った雪の恐ろしさ」を理解するには、それを体験するしかない。
 日本サッカー協会の会長には、是非、この26年ぶりの豪雪に見舞われている今の新潟を、体験して欲しいのだ。

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DORO について

アルビレックス新潟とハードSFとメジャーなキャラクターじゃないぬいぐるみが好き。破れたハートを売り物にして生きてます。「つまらぬ、とるにたらぬやさしさから、自分の得たものをひとにゆずり、結局ふと気づいてみれば、ひとの世話だけやくものになっている、そんなばかなやつ(by 斎藤惇夫)」です。
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